アスリート、その関係者など外国選手も含め、インタビュー取材の際に、私は絶対に放送で使わないと決めている「ことば」がある。
とにかく、相手がそのことばを口に出す様な質問を避けてきたが、私の伺い方が悪く、相手が回答に迷ったり、困ったりして意図しない形で返ってきたことはあった。
しかし、約35年間、絶対に放送では使用しなかった。
その言葉とは
「皆様、応援よろしくお願いします」
である。
なぁ~んだ、と思われるかもしれない。
しかし「応援よろしくお願いします」の気色悪さ、耳障りの不味さは、昨今、スポーツ番組や、ニュースで締めの言葉として流行りの
「感動をありがとうございました」にとても良く似た気色悪さを、私は感じる。

今回のサッカーワールドカップの番組やニュースでは司会者を始め、スポーツキャスター、スタジオゲスト、芸能人の方々が必ず最後に、お題目の様に「感動ありがとう」を唱えていた。

「日本代表の目標はベスト8進出でしたがベスト16に終わり、残念ながら目標の達成は果たせませんでした」では、皆様が、一様に、コメントを終われない様だった。
いつ頃から、この
「私は感動した側の人間です宣言」は始まったのだろうか。

「言わなくてもわかっていること」を、わざわざ言う間柄が、いま求められるならば、
私の様な時流から外れた輩は不要という事なのだろう。