順風満帆の無双状態だったスーパースター大谷翔平が思わぬ形で躓いた。アメリカ生活7年目。獲得した筋肉はムキムキ、私生活でも”野球だけに集中する無菌生活”からの卒業となった。

野球の本場アメリカに渡り投手、打者の二刀流で歴史的な記録を残し。”伝説のスーパースター”ベーブルースをも超える成績で世界一のスポーツ選手へと昇りつめた。科学的なトレーニングで肉体はアスリートとして理想の体躯をも獲得した。更に私生活では妻を娶り100%完璧な男として日本に限らず多くの国の人々に愛され、祝福され、激励され、期待されている。

しかし7年もアメリカに暮らしながら何故に「通訳」が必要だったのか。語学留学は短くて3か月ぐらいでも日常会話を会得出来る。いくら生活を野球だけにフォーカスしても在米8年である。きちんと話せなくても「自分の口で、自分の言葉で思いを伝える事」それは野球の技術と同じくらい大切なものではないだろうか。上手く話せないと、完璧な男としては格好が悪いから通訳が必要だったのだろうか。今や外国出身者ばかりとなった国技・大相撲では拙い言葉使いでも外国出身者は「日本語」を使う。稽古・まわし・浴衣・ちゃんこ・土俵といった日本の文化に溶け込み横綱を目指している。

大谷選手の高校時代に描いた未来図に「英語堪能」の項目はなかったのか。異国の文化に身を埋める事も大事だった。「ベースボール」については完璧な男。今回の移籍を機に「通訳付き卒業」が出来れば良かったのかもしれない。

同じ岩手県花巻東高校の後輩は新たな未来図へと踏み出した。佐々木麟太郎選手はスタンフォード大学に進学する。先輩が描かなかった、「野球だけではない」という志は価値あることだといえそうだ。